No.29 2006年11月

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鳩ヶ谷で見られる野鳥シリーズ (42)

アトリ(アトリ科)Fringilla montifringilla

アトリ(撮影地:石川県舳倉島)

日本へは10月頃に冬鳥として渡来します。スズメよりもほんの少し大きめの小鳥で、冬羽の雄は頭部が灰色で上胸部から肩羽にかけてオレンジ褐色をしている。翼は黒色で白帯があり、腰が白い。飛んでいる時には腰の白色が目立ちます。

雌は全体に淡い色をしています。年によっては冬に大群をつくることもあり、時々新聞やテレビなどで報道されることもあります。アトリは室町時代あたりからアトリと呼ばれていたらしい。鳩ヶ谷市内での記録は中央病院での1例の記録がある。俳句では古来より花鶏と呼ばれています。

   ちりぢりになる楽しさの花鶏かな 堀口 星眠

自然の記録:

11月 1日 久し振りのコゲラの声と共にメジロが飛来し、オナガ、ヒヨドリも賑わいでいる。
 オンブバッタがダイコン畑で元気で過ごしているが、そろそろ霜の降りる頃なのでこれから先どうするのかと心配である(桜町6丁目)。

桜町6丁目のホームページがあるということを知り開いてみると、「ハト豆ねっと」というホームページに「自然塾トンボクラブ」というものがありました。

中にはカワセミやエノコログサの種類、他自然に関する情報が掲載されていました。残念ながら写真撮影した場所や日付がないので記録にはなりませんが、市内の生物の記録として見るには興味ある内容が書かれていました。

11月 2日 天神橋付近の芝川でカルガモ2羽が休んでいた。そろそろ他のカモ類も来る季節である。このところドクガが窓や玄関の扉に飛来する。黄色で、前翅に茶褐色の帯があるガで体や脚は黄色い毛に覆われている。毒針毛を持つので触ると危険(桜町6丁目)。

11月 5日 ジョウビタキ雄が柿の木に来てすぐに飛び去った。この冬初認である。過去の記録を見ると1995年11月9日、1996年11月1日、1997年11月2日、1998年11月7日、2000年10月30日、2001年11月11日、2004年11月7日、2005年11月12日などの記録があり、今年の飛来はほぼ平均並みの飛来であった。ジョウビタキは「火焚き鳥」、「馬かっちょ」、「紋付き鳥」、等と呼ばれ、俳句では「ひたき」と言えば、ジョウビタキを指し、冬の季語となっています。ツマグロヒョウモンやヤマトシジミがまだ元気に飛び回っているが、ツマグロヒョウモンはそろそろ見られなくなるであろう。

11月 7日 江川でコサギやハクセキレイが採餌していた。多少藻が生えてきたので小魚も生息しているようだ。江川から毛永川の環境が良くなれば生物も増加することと思われるが、今の状況では可能性は少ないであろう。オナガが1週間ぶりに我が家の周辺に来て鳴いていた。今のところタチバナモドキや柿の実が豊富にあることから餌には困っていないようだ。ドアを開けたらフユシャクが飛び込んできた(桜町6丁目12)。

11月 8日 本町4丁目付近の見沼歩道でシジュウカラ、ハクセキレイ、スズメ、ハシブトガラス等を観察し、ウグイスの笹鳴きを聞く。桜町6丁目の自宅でも今冬始めての笹鳴きを聞いた。ほぼ同時期に漂行してきたのであろう。

11月 9日 コンフォール鳩ヶ谷東の敷地内で、ヒメアカタテハとヤマトシジミが飛んでいた。ヤモリが台所の戸袋から落ちてきた。いつの間にか家の中に入ってきたらしい(桜町6丁目)。

11月12日 木枯らしが吹き一日中寒い日であったが、アキアカネがブロック塀の上に止まっていた。陽が当たっているので多少暖かかったのか、今の季節にアキアカネを見ることは珍しい。

11月14日 早朝からオナガが数羽家の周りに来て鳴いていた。この秋始めてのツグミを観察、鳴きながら家の上空を通過、テレビのアンテナでジョウビタキが鳴いていた。秋型のキチョウが飛来し、ヤマトシジミもまだ飛び回っている(桜町6丁目)。

11月15日 生態系協会・鳩ヶ谷支部の三浦さんより、里の総合公園予定地と鳩ヶ谷高校の間の道路上でタヌキ2頭を見たとの情報あり、数年前からこの周辺に生息しているようである。

11月16日 埼玉植物園付近でエナガの声を聞いた。今年も市内で観察することが出来そうである。ここ数年観察できるようになったが個体数はそれほど多くはないようである。

11月18日 庭のダイコンの葉にオンブバッタがじっと止まっている。そろそろ寒いのではないかと思うのであるが、日当たりの良いところを選んで移動しているようだ(桜町6丁目)。

11月20日 雨の中、キセキレイが鳴きながら上空を通過した(桜町6丁目)。本町2丁目の民家の屋敷林でメジロの群が鳴いていた。

11月21日 鳩ヶ谷総合グランド予定地内でタヌキの足跡を観察した。昨日の雨の影響で土がぬかるんでおり、足跡がハッキリと残っていた。鳩ヶ谷高校の先生数名から話を聞いたところ、@今年の冬に降雪の後、中庭にタヌキの足跡があった。A数年前に側溝でタヌキが死んでいた。B数年前に構内で2度ほど見かけたとの情報が得られたが、最近観察したという情報は得られなかった。この地の周辺はNHKの跡地であった。以前は林や湿地に囲まれていたこともあり、また、川口高校や旧西公団のある諏訪山台地では斜面林が存在したことから、タヌキも生息していたので、その末裔が場所を移して生息しているのではないかと、密かに思っている。このまま市内に留まってくれればよいのであるが、区画整理による環境の変化が心配である。タヌキが何時までも生息できるように鳩ヶ谷市の自然がこれ以上減少しなければよいなと思います。

 
タヌキの足跡

総合グランド予定地ではカシラダカの声、カワラヒワ、ハシボソガラス3羽などを観察した。また、氷川神社のイチョウ並木でシジュウカラ、メジロを観察し、桜町6丁目でコゲラの声聞いた。

11月22日 ハラビロカマキリがブロック塀や雨戸などに止まっていることが多くなった。何処かに産卵場所を探しているようだ。昨年も庭の数カ所に卵鞘が見つかった。

11月27日 本町2丁目でジョウビタキの声を聞いた。降雨の中メジロが梅の木で貝殻虫などを捕っていた(桜町6丁目)。

11月28日 本町2-14付近の柿の木でメジロとシジュウカラの小群が飛び回っていた。近くのラクダ坂付近ではオナガとヒヨドリが盛んに鳴いていた。ヒヨドリはセンダンの大きな実を嘴いっぱいに銜えていた。

11月29日 桜町6丁目上空を久し振りにコサギが低空飛翔していた。ジョウビタキは時々アンテナに来て頻りに鳴いている。オンブバッタがコンクリートの犬走りの上でじっとしていた。草むらにいた方が暖かいのではと思うが余計なことか?

たわわに実ったタチバナモドキの実を求め、メジロが群れている。食べ落とした実が路上に沢山落ちていた。