No.182 2019年8月

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鳩ヶ谷周辺で見られる野鳥シリーズ (195)

コミミズク(フクロウ科) Asio flammeus

 

 ユーラシア大陸とアメリカのツンドラ地帯で繁殖し、冬鳥として日本の各地で越冬する。草原や休耕田で越冬するが、分布は局地的である。夜行性だが日中でも行動することがあり、ネズミや小鳥、昆虫類などを捕食する。コミミズクの名は「羽角(耳羽)が短いミミズク」から、耳羽はわずかで見えない場合もある、目は黄色く周辺が黒いために顔つきは鋭く見える。体色は個体により異なる。ふわりふわりと飛びながら大きな丸い目はしっかりと獲物を見つけ、かなり高い確率で獲物を捕らえます。止まり木となる棒杭の下などには口から吐き出したペリット(骨や羽毛などの不消化物)が落ちています。「野ネズミハンター」の異名を持つ草原性のフクロウ。以前にペリットの分析を行ったことがあるが、小鳥類も含まれていたが、内容物のほとんどがハタネズミとアカネズミであった。川口市内では、芝川第一調節池の工事が始まる前の休耕田で15羽以上の群れが越冬していたことがあるが、近年は越冬期に時々記録される程度である。

自然の記録:

 8月 2日 庭のイチジクの木にキボシカミキリがいました。今年、庭で確認したカミキリムシは5種目となりました。今年はイチジクの実のつきが悪く昆虫類の集まりが悪い。勝手口の土間にこげ茶色で三角形をした黒い蛾の仲間がいました。ウスグロアツバという蛾でした。ムベの蔓にはシモフリスズメの終齢幼虫が止まっていました。

 8月 5日 庭でアオドウガネ、ナガヒョウタンゴミムシの遺骸、近所の道路上でコフキコガネの遺骸がありました。アオドウガネは無数のアリが集まって処理をしていました。コフキコガネは羽のみが残っていたので鳥にやられたようです。

タマムシ ウリハムシ ヒメジャノメ

 8月 6日 隣家の空き地は雑草が伸び放題。クワクサ、アオジソ、シソ、メヒシバ、オヒシバ、カヤツリグサ、ハキダメギク、ヨウシュヤマゴボウ、ヒナタイノコヅチ、ツユクサ、シロザ、ヘクソカズラ、ツタ、キカラスウリ、アキノエノコログサ、センダン、ナンテン、などが蔓延り、チョットした緑地になっています。庭ではミンミンゼミ、アブラゼミ、ニイニイゼミなどが鳴いており、ツクツクボウシも鳴きだしました。台所の扉に大きなオオイシアブが止まっていました。

 8月 9日 庭の剪定木の枯れ枝にムラサキツバメが止まっていました。ムラサキツバメはムラサキシジミに似ているが、後翅に突起があり、ムラサキシジミよりも一回り大きい。市内では2008年頃から生息するようになったが、最近は見る機会が少なくなった。門扉の近くにアオドウガネの遺骸がありました。

 8月10日 庭のあちらこちらに昆虫の遺骸が落ちています。ツクツクボウシとコフキコガネは形があるものの中味が全て吸い取られたようにカラカラに乾燥して、ゴミムシの仲間も数匹が元の形がわからないほど、アブラゼミなども落ちていました。カマキリやハチの仲間にやられたのか。久しぶりに地上徘徊性のオオヒラタシデムシが歩き回っていました。

オオヒラタシデムシ ムネアカトゲコマユバチ ヤブキリ

 8月12日 夕方になり庭の数か所でチッチッチッというカネタタキの声が聞こえてきました。普通は姿を見かけませんが、毎年カキの実のヘタと共に落ちてくる時が姿を見るチャンスです。

 8月14日 台風10号の影響で、雨が集中的に降ったりやんだりの1日であった。外のゴミ箱を移動したところ、落ち葉の中で10pほどのヒバカリの幼蛇がとぐろを巻いていた。今年も庭で孵化したようである。我が家の庭では30年以上に亘ってヒバカリが生息している。小さな庭でも何とか世代交代が続いているようである。オニグモ、ジョロウグモ、ギンメッキゴミグモ、ゴミグモ、ジグモ等のクモ類も増えている。

 8月16日 台風の影響でかなり強い風が一日中吹いていた。風が止んだ合間にシオカラトンボ、ウスバキトンボ、アオスジアゲハ等が飛んでいた。コンフォール東鳩ヶ谷の敷地内ではミンミンゼミとアブラゼミの合唱が見事で、周辺にはセミの抜け殻が沢山ありました。ゴミ箱の下には黒色で頭の形が。イチョウの葉のような形をしたクロイロコウガイビルが3匹いました。ヤマビルと違って人の血液を吸うことはないようですがカタツムリやナメクジなどを餌にしているようです。

アオオビハエトリ オオカマキリ ヒバカリ

 8月17日 ここ数日、我が家の庭でトカゲを何度か見かけていたが、今日は孵化後まもない小さなトカゲがいました。昭和の頃は普通に見かけたトカゲですが市内では見る機会が減っていましたので庭で見られ、繁殖していたのは驚きです。柿の木にはサトキマダラヒカゲが止まっており、ヒメウラナミジャノメが2匹飛び回っていました。

 8月19日 庭ではスズメガの仲間のホシホウジャクが頻繁に飛来しており、藪の中で産卵しているのか忙しく飛び回っています。

 8月21日 早くもエンマコオロギが鳴きだしました。猛暑日が続いていても暦の上ではすでに秋、生物は正直です。夜もかなり涼しくなり、カネタタキの声が毎日聞こえるようになりました。

 8月25日 庭隅でオオカマキリ2匹が枯れた枝に止まっていました。ここ数日、朝晩が涼しくなったのでエンマコオロギやカネタタキの合唱が賑やかに聞こえるようになりました。

 8月27日 庭で草むしりをして玄関に入ってくると、カネタタキとホオズキカメムシが衣服について入ってきました。ハラナガツチバチも共に侵入し、部屋中を飛び回っていましたが網戸をあけると勢いよく外へ出ていきました。

 8月29日 ヒカゲチョウ、キマダラヒカゲ、ヒメジャノメ、ヒメウラナミジャノメなどヒカゲチョウの仲間が家の庭を飛び回っています。

 8月31日 朝起きると家の廊下でマダラカマドウマが跳ねまわっていました。庭ではヤマトシジミ、キマダラヒカゲ、ナミアゲハ、クロアゲハ、ナガサキアゲハなどが飛来し、ナミアゲハ、クロアゲハ、ナガサキアゲハの3種はユズの葉影を飛び回っているので産卵しているようです。ハラナガツチバチやセグロアシナガバチは毎日庭を飛び回る常連となりました。ニイニイゼミやアブラゼミの声が減少し、ミンミンゼミとツクツクボウシの声が目立っています。久しぶりにクマゼミの声が聞こえてきました。旧鳩ヶ谷市内でのクマゼミは毎年数例の記録がありますが、まだ市民権を得ていないようです。一方、2016年に川口市北部の竹林で発見された外来種の中国産タケオオツクツクはモウソウチクの竹林で増殖し、旧鳩ヶ谷市内でも鳴き移りと思われる声が桜町内の各所で聞かれているようです。

ツバメの若鳥 サトキマダラヒカゲ ゴマダラチョウ

地球温暖化を考える(134)

浦和くらしの博物館民家園

近年、埼玉県内の市街地は東京と同様にコンクリートの高層マンションが林立しているが、さいたま市から川口市に至る広大なエリアに位置する見沼田んぼでは、見渡す限りの水田地帯こそ消失したが大規模な緑地帯として残っている。見沼田んぼの一番南側に位置する芝川第一調節池の北側の一角に、旧浦和市内の江戸時代中期から大正時代に建築された登録有形文化財やさいたま市指定文化財である民家倉庫穀櫃を移築復原し展示されている。園内には古代ハスも植栽されており毎年多くの花を咲かせています。芝川と芝川第一調節池、周辺を農地に囲まれておりハイキングコースとしても利用されている。移築されている民家に入ると風通しがよく、猛暑日が続く日中でも涼しく安らぎを与えてくれます。芝川第一調節池は彩湖(荒川の調節池)と異なり、彩湖学習館のようなビジターセンターがないために、この周辺を訪れる人たちは民家園を集合場所・休憩場所あるいはトイレを利用しています。

古代ハス