No. 28 2006年10月

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鳩ヶ谷で見られる野鳥シリーズ (41)

シラコバト(ハト科) Storeptopelia decaocto

シラコバト

埼玉県の鳥、天然記念物シラコバトとして日本では、越谷市を中心として分布していましたが、 1980年代から少しづつ分布域が広がりました。その原因の一つは区画整理に伴う宅地造成と それによって廃業あるいは郊外へ移転を余儀なくされた養鶏場や養豚場の減少があります。

鳩ヶ谷市内でも桜町6丁目の井田養鶏場を中心とした地域に2番が生息していました。その期 間は1975年8月15日〜1978年5月8日までの約4年間でした。ラクダ坂から中央病院に行く途 中の旧小林家の屋敷林で繁殖しているのも確認されました。

シラコバトはヨーロッパに広く分布し、市の鳥であるキジバトよりも小型のハトで体全体が白っぽく見えます。江戸時代に輸入されたと言われているが、詳細は不明です。ポッポッポ、ハトポッポのモデルとも言われ、人に頼って生きてきたハトが、人に追われて個体数を減少させているのは皮肉ですね。昨年、外来生物法が施行されました。シラコバトも古くは外来生物の一つですが、日本に定着し、埼玉県を中心として生息している貴重な野鳥です。

自然の記録:

10月 3日 庭の開花植物を観察したところ、クコ、ハハコグサ、チジミザサ、カヤツリグサ、メヒシバ、オヒシバ、キンミズヒキ、ゲンノショウコ、ツユクサ、イヌタデ、ノゲシなどが開花し、ヤマトシジミが数頭飛んでいた(桜町6丁目)。

10月 4日 ツマグロヒョウモン、ヒカゲチョウ、ヤマトシジミ、ノシメトンボが庭に、ヤモリが網戸に張り付いていた(桜町6丁目)。アレチウリの群落が江川のフェンスに巻き付いている、年々増加しているようだ。江川の植物はエノコログサが主、センダングサやノゲシなども散見される。

10月 7日 5、6日と二日間の降雨量はかなりのものであった。江川、毛長川共に水量は増水していたが満水までは至らなかった。8月に実施された毛長川調節池越流堤工事のお陰か?調節池の中も殆ど貯水量がない状態であった。貯水池内にアオサギ、コサギ、ハクセキレイが休息していた。また、江川沿いの本町3丁目と慈林との境界付近でツマグロヒョウモンが飛んでいた。家の庭では秋型キチョウが飛来し、強い風のため柿の木にいたと思われるハラビロカマキリが落ちて死んでいた。桜町6-12付近でチカラシバが毬栗のような穂を伸ばしていた。三ツ和と赤井の交差点付近ではコヒルガオが開花真っ盛りであった。フェンスを利用して増加するツル性植物:最近の河川は安全性を優先するために川の両岸をフェンスで囲うところが多くなってきた。江川などもその代表であるが、フェンスを利用して増えている植物もある。以下の3種類以外にもイシミカワ、ヤブガラシ、ヘクソカズラなどが幅を利かせている植物である。見た目には緑化が進んでいるようにも見えるので無味乾燥なフェンスよりはよいのだが、植物にも生きる知恵があるようだ。

カラスウリの実 色づいたカラスウリ
カラスウリの実 色づいたカラスウリ  
ニガウリの花 ニガウリの実 アレチウリの花
ニガウリの花 ニガウリの実 アレチウリの花

10月 9日 庭のクチナシでオオスカシバの幼虫が大きく成長し、クチナシの葉が少なくなってきた。庭の手入れをしていたら土の中から6匹のクワガタムシの幼虫が出てきた。既に2cm〜3cmの大きさになっていた。作業を終わった後手袋を干していたらツマグロヒョウモンの雄が飛来し、しばらく止まっていた。手袋の水分を吸っていたのか?草むらからセアカゴミムシが出てきたが落ち葉の陰に入ったのを知らずに踏んでしまった(桜町6丁目)。

10月10日 三ツ和公園でシジュウカラ2羽、ヒヨドリの小群、里のポンプ場でオナガ5羽、天神橋付近の芝川でカワウ1羽が羽根を広げて日向ぼっこをしていた。芝川ではアレチウリが幅を利かせ、オギ、イタドリ、キクイモなどが開花していた。また、ツマグロヒョウモンのペアが飛び交い、モンキチョウ、モンシロチョウ、里のポンプ場付近ではセンダングサの花にツマグロヒョウモンの雄が飛来した。

10月11日 市役所の敷地内でコゲラが鳴いていた。この付近では始めての記録である。

10月12日 ツマグロヒョウモンが相変わらず飛び回っている。今日は桜町6丁目で雄1,雌1、本町3丁目江川付近、坂下町見沼用水沿いで、雄2匹を観察した。

10月18日 今日もツマグロヒョウモンの雌が飛来した。ダイコン畑にオンブバッタが住み着いた。キセキレイが漂行してきたらしく上空を通過した(桜町6丁目)。

10月22日 ハラビロカマキリ、キイロテントウが柿の木から落ちてきた。ツマグロヒョウモンは相変わらず飛来している(桜町6丁目)。

10月30日 そろそろ11月というのにツマグロヒョウモン、キチョウは毎日のように飛来する。
 モズがこの秋始めての高鳴きをしているが、少し遅いような気がする。オナガがピラカンサなどに飛来し10数羽が賑やかに騒いでいた。ヒヨドリはオナガに追われ、キセキレイが電線に止まって鳴いていた。シジュウカラも飛来したが庭をひとまわりして飛び去った。暖かい陽射しを浴びてツユクサ、コオニタビラコが開花し、ヒヨドリジョウゴとクコのオレンジの実が結実した。

落ち葉を掃いているとアオダイショウが顔を出した。庭で見るアオダイショウは久し振り、1m以上あった。早速写真を撮らせてもらった。空き缶置き場の後ろから顔を出し、人の気配があるとすぐに首を引っ込めていたが、ブロック塀づたいに落ち葉の山の中へ潜り込んでいった。おそらく来年の春まで物置の下にでも入って冬眠するのであろう。今年はジムグリに続いて2種類のヘビが我が家を訪れてくれた。
 市内にもまだこの様な爬虫類が生息していける生態系が多少でも残っているのかと思うと嬉しくなった。

アオダイショウ クチナシを食べるオオスカシバの幼虫
アオダイショウ クチナシを食べるオオスカシバの幼虫