No.138 2015年12月

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鳩ヶ谷周辺で見られる野鳥シリーズ (151) 

オジロトウネン(シギ科) Calidris temminkii

オジロトウネン冬羽

シギの仲間のうち最小サイズのグループで、スズメ程度の大きさである。同じ仲間のトウネンに良く似ているが、夏羽では体の上面が灰褐色で赤褐色と黒色の斑があり、尾の両端は白く、足が黄緑色である点が異なっている。冬羽は上面が灰色で下面が白い。雌雄同色で旅鳥または冬鳥として少数が飛来し、1羽か数羽でいることが多いが10羽以上の群れになることもある。水田、湿地、埋め立て地の水たまりなどの淡水域を好む。嘴を地表面につけながらつついて、昆虫類の幼虫や貝類、甲かく類などをとる。

川口市周辺では芝川第一調節池の工事中に浅い水たまりができた頃に何度か飛来した記録がある。

自然の記録:

12月 1日 庭の片隅でヒメオドリコソウとノゲシが開花しました。共に春の野草ですが、これも気候変動の影響か?12月に入っても隣近所の庭は園芸品種の花盛りです。ヤツデの花にはハナアブの仲間が飛来しており、クロヤマアリも元気に活動しています。

12月 4日 よく晴れた一日であったが、時々強い風が吹いたのでアオギリの葉が全て落ちてしまったので枝の剪定を行った。イチジクにいたキボシカミキリは1日を最後に消失しました。

12月 7日 今日は暖かかったので旧芝川を散策してきました。カモ類の個体数や種類数は少なかったが、ここで初記録となったオオタカが出現。若鳥でカラス3羽に追われて電柱に止まった後、更に追われて消失した。カワセミは4羽も出てくれました。雄雌各1羽と別の雌雄が川面を追いつ追われつ、5分ほど飛び回ってくれて楽しめました。カモ類はコガモ、カルガモ、ヒドリガモ、ハシビロガモ、オナガガモ、ホシハジロの6種類でした。その他の水鳥は、カワウ、カイツブリ、アオサギ、コサギ、オオバン、バン、イソシギ等、その他、スズメ、ウグイス、ジョウビタキ、モズ、ハクセキレイ、ヒヨドリ、キジバト、ハシボソガラス、ハシブトガラス等。途中で出会った人の情報によると11月中に何度か、イソヒヨドリの雄が出ていたとのことであったが、今日は確認できなかった。

植物はホトケノザ、ハキダメギク、ノゲシ、アメリカイヌホオズキの花が開花していました。流石に昆虫類は見られないなと思っていたところ、草地でヒメアカタテハを見ることが出来ました。

オオタカの若鳥 休息するアオサギ 葦に止まるカワセミの雄
岸辺を歩くバン 休息するコサギ ミシシッピアカミミガメ

12月12日 昨夜はかなり強い風が吹いたらしく、隣家のカキの葉が庭中に落ちて吹き溜まりになっているところもありました。圧縮しながら大きなゴミ袋1杯分の量でした。

自転車のカバーの裏側にハラビロカマキリが避難していたようです。お腹がかなり大きく膨らんでおり、すぐにも産卵しそうでした。12月中旬になってもカマキリが生息しているなんて、30年前には考えられませんでした。ジョウロの下ではアオクサカメムシがいました。

カキに来たメジロ マルガモ(マガモ×カルガモ)

最近色々な場所で、カモ類の交雑個体を見ることが多くなりました。マルガモもその一つです。マガモとカルガモが交雑したと言われている。

12月18日 今日は庭のサクラを剪定しました。地上高約2mの高さで直径15pの太さの幹を切って、すべての枝を落とし、太めの枝を細断して約2時間かかりました。細断した枝や幹は、そのまま庭に放置して肥料にします。土に還るまで約2年くらいです。今までにも二度に亘って剪定しましたが、すべて自然に還りました。

12月19日 赤山歴史自然公園予定地の野鳥調査を行いました。ブルトーザーやコンポが動き回り、整地や土盛りなどかなりの工事が進んでいます。大池などの湿地予定地では貯水量も増加し、湿地も長靴で歩くのにはかなり体力がいるような程深くなってきました。池の中にある草陰ではカルガモ(21羽)、マガモ・コガモがそれぞれ雌雄各1羽、ここでは初記録となったオカヨシガモ雄1羽、オオバン3羽、カイツブリ3羽が見られたほか、バン、アオサギ、コサギ、ムクドリ、ヒヨドリ、カシラダカ、ホオジロ、ハシボソガラス等18種類が見られました。ついでに、安行興禪院へ紅葉を見に出かけました。12月も下旬に近いので紅葉は終わりかなと思っていましたが、かなり散ってはいましたが意外と残っていました。

興禪院野鳥の森にある十三仏への階段付近は、散り落ち葉が深いところでは10p程も積もっており、長靴を履いていても深々という感じで体が沈みました。久しぶりの体験です。

オカヨシガモの雄 休息中のコサギ
安行興禪院 野鳥の森の紅葉

12月21日 庭のエノキの剪定をしていたところ、ナナホシテントウやクサカゲロウが出てきました。すべての枝葉を剪定したので、クサカゲロウは居場所を求めて飛び回っていました。庭隅に生えてきたタケの葉がボロボロになっていたので近づいてみるとタケノホソクロバという蛾の幼虫が沢山いました。12月も末になると言うのに昆虫は元気です。この幼虫は体中に細かいとげがあるので触ると痛い思いをするので要注意。

12月25日 旧芝川を散策、12月7日に比べカモ類も多少数が増えてきました。カルガモ(15羽)、ヒドリガモ(25羽)、オナガがモ(33羽)、コガモ(17羽)、キンクロハジロ、ホシハジロ(各2羽)、その他の水鳥類はユリカモメ(21羽)、コサギ、バン、オオバン等、その他目立ったのはカワセミが2羽で追いかけっこをして飛び回っていました。また、11月頃に見られたと言うイソヒヨドリの綺麗な雄が見られました。暖かかったのでミシシッピアカミミガメも甲羅干しをしているものが10頭以上、ホトケノザの花の群落も見事でした。風がなければ年末とは思えない暖かさでした。

隣家のカキにはオナガ(15羽)、ムクドリ(50羽<)、スズメ(30羽)が入れ代わり立ち代わり、人が近くを通るたびに飛び回っていました。

木の枝に止まるイソヒヨドリ コンクリートの岸辺のイソヒヨドリ

地球温暖化を考える(91)

気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21=気候変動パリ会議)が終了

 2015年12月13日、パリで行われていた2020年以降の地球温暖化対策の枠組み「パリ協定」1997年に採択された京都議定書以来、18年ぶりの枠組みとなるパリ会議が終了しました。

 パリ会議の主なポイントは

目的

産業革命からの気温上昇が2℃を十分下回る水準に抑える。1.5℃未満に向けて努力する。

2℃を超えるとどうなるのか?

(気候変動に関するパネル(IPCC)は、氷床崩壊による海面上昇やサンゴ礁の全滅といった取り返しのつかない影響が出るリスクが高まると予測している。かりに、各国が国連に提出した自主的な目標を達成したとしても、今世紀末に世界の平均気温は3℃前後上昇し、海面水位は63p上昇するとされる。)

温室効果ガスの排出削減

 ・各国は、温室効果ガスの削減目標を国連に提出する。達成のための国内対策を義務付ける。

 ・目標は5年ごとに見直し、古い目標を上回るようにする。

温暖化の被害対策

 ・被害を軽減するための世界目標を設定する。

 ・各国は、損失に対処する重要性を認識する。等---------

●  地球一個分という物差し

WWFJの (世界自然保護基金ジャパン) 年間報告書では、エコロジカル・フットプリントという人間が地球に与えている負荷を計算すると、地球の生産力(バイオキャパシティ)の1.5倍近くに達しており、すでに地球1個では足り無くなっているとのこと。

我々が出来ることを少しでも行っていくことが必要ですが、今までも多くの部署やメディア等で省エネに関する情報はいくつも発信されていますが、「これが効果的である」と紹介されている対策はあまり見受けられない気がします。効果的な温暖化対策は家庭によって異なりますし、またすぐ取り組める対策もあれば、さまざまな理由により取り組むのに時間がかかる対策があるため、情報の発信者もこれが効果的と断定するのは難しいのです。たとえば、夜中まで照明をつけている家とそうでない家では、照明に必要な電力消費量が大きく異なりますし、冷房や暖房に利用するエネルギー量は地域差が非常に大きいです。このように家庭でのエネルギー消費量は、ライフスタイルや地域によっても異なります。ですから、家庭でできる効果的な温暖化対策は、「各家庭で多くのエネルギーを消費している物事そのものや、無駄な使い方を控えること」になります。

 ともすれば、省エネが中心になっていますが、身近な場所で植物を植えること、街に緑を増やすことも大事です。ク-ルアイランド化することにより、身の回りの温度を下げる努力が必要があり、すぐにでも行動に移りやすいものの一つです。

 

2015年度に観察された生物

野鳥:カイツブリ、カワウ、マガモ、コガモ、カルガモ、オナガガモ、ハシビロガモ、ヒドリガモ、アメリカヒドリ、キンクロハジロ、ホシハジロ、ダイサギ、コサギ、アオサギ、ゴイサギ、クイナ、バン、オオバン、イソシギ、セグロカモメ、ユリカモメ、オオタカ、キジバト、カッコウ、ホトトギス、アカゲラ、コゲラ、カワセミ、ヒヨドリ、モズ、ツバメ、イワツバメ、キセキレイ、ハクセキレイ、ムジセッカ、ウグイス、ジョウビタキ、イソヒヨドリ、アカハラ(亜種オオアカハラ)、シロハラ、ツグミ、シジュウカラ、メジロ、アオジ、オオジュリン、カワラヒワ、シメ、スズメ、ムクドリ、オナガ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ドバト(54種類)

 

動物:タヌキ、アライグマ、ドブネズミ、アブラコウモリ、ミシシッピアカミミガメ、シマヘビ、ヒバカリ、ウシガエル、ヒキガエル、カナヘビ、シマミミズ、コイ、ガザミ、クロベンケイガニ、アカテガニ、モツゴ、メダカ、アリグモ、ギンメッキゴミグモ、オニグモ、ジョロウグモ、ワカバグモ(22種類)

 

昆虫類:アオスジアゲハ、アゲハチョウ、ウラギンシジミ、キアゲハ、キタテハ、アカタテハ、キチョウ、クロアゲハ、ジャコウアゲハ、ナガサキアゲハ、コミスジ、アカボシゴマダラ、ヒメウラナミジャノメ、ヒメジャノメ、ツマキチョウ、ツマグロヒョウモン、ベニシジミ、モンシロチョウ、モンキチョウ、ヤマトシジミ、ルリシジミ、ルリタテハ、オオスカシバ、キイロスズメ、トビイロスズメ、シモフリスズメ、ウメエダシャク、ヒメトガリノメイガ、マエアカスカシノメイガ、ウスグロアツバ、クロメンガタスズメ、ブドウトリバ、シロイチモンジヨトウ、シロモンオビヨトウ、クロモンキノメイガ、スジモンヒトリ、アカジママドガ、タケノホソクロバ、チャドクガ、ハナアブ、テントウムシ、ツマグロオオヨコバイ、キリウジガガンボ、キンケハラナガツチバチ、マガリケムシヒキ、オオモンクロベッコウ、クビキリギス、メスアカケバエ、ルリチュウレンジバチ、コスズメバチ、キイロスズメバチ、セグロアシナガバチ、ハラナガツチバチ、カブトムシ、コクワガタ、オオクロクシコメツキ、オオナガコメツキ、サビキコリ、キマワリ、コユミアシゴミムシダマシ、セアカゴミムシ、コフキコガネ、クロコガネ、クロフヒゲナガゾウムシ、サクラコガネ、アオドウガネ、マメコガネ、ルリゴミムシダマシ、アトジロサビカミキリ、ゴマダラカミキリ、ナガゴマフカミキリ、キボシカミキリ、アオクサカメムシ、クサギカメムシ、セスジナガカメムシ、ツチカメムシ、ホソヘリカメムシ、ホオズキカメムシ、ヨツボシハムシ、クロウリハムシ、トウキョウヒメハンミョウ、オオニジュウヤホシテントウ、キイロテントウ、ナナホシテントウ、カオジロヒゲナガゾウムシ、アキアカネ、ノシメトンボ、ウスバキトンボ、クロスジギンヤンマ、シオカラトンボ、オオシオカラトンボ、コシアキトンボ、ハグロトンボ、ホシハラビロカメムシ、クサギカメムシ、ホウズキカメムシ、アオモンイトトンボ、アジアイトトンボ、ナツアカネ、クサカゲロウ、ウスバカゲロウ、ハサミムシ、ニイニイゼミ、アブラゼミ、ミンミンゼミ、ホウシゼミ、ヒグラシ、ハラビロカマキリ、オオカマキリ、ハタケノウマオイ、カンタン、アオマツムシ、エンマコオロギ、ハラオカメコオロギ、ミツカドコオロギ、マダラスズ、ウスグモスズ、ササキリの仲間(118種類)

 

植物: アオガヤツリ、アキノエノコログサ、アキノノゲシ、アメリカアサガオ、アメリカイヌホオズキ、アメリカセンダングサ、アメリカオニアザミ、アレチウリ、アレチマツヨイグサ、イタドリ、イヌキクイモ、オウバイ、オオアレチノギク、オオオナモミ、オオカナダモ、オオジシバリ、オオニシキソウ、オオケタデ、オオイヌタデ、オオマツヨイグサ、オッタチカタバミ、オシロイバナ、オニタビラコ、オヒシバ、アカバナマンサク、アセビ、アミガサユリ、ウシハコベ、ウマノスズクサ、ウラシマソウ、ウラジロチチコグサ、エンジュ、エリカ、オニドコロ、オオアラセイトウ、オオカワジシャ、カタバミ、ガマ、カラスウリ、カラスノエンドウ、カラスビシャク、カラムシ、カヤツリグサ、カントウタンポポ、キカラスウリ、キヌガサタケ、キンエノコロ、キンミズヒキ、ゲンペイペイコギク、ゲンノショウコ、クサイチゴ、クサギ、セイヨウアブラナ、セイヨウカラシナ、カタバミ、カワジシャ、カントウタンポポ、キケマン、キュウリグサ、交雑タンポポ、コウテイダリア、コガマ、コニシキソウ、コヒルガオ、コブシ、サザンカ、サナエタデ、サンカクイ、サンシュウ、シキミ、シナマンサク、シャガ、ショウブ、シュロ、スズメノヒエ、スベリヒユ、セイバンモロコシ、センニンソウ、ソシンロウバイ、ソメイヨシノ、タカサブロウ、タコノアシ、タネツケバナ、ツクシ、ツタバウンラン、ツユクサ、ツルボ、テイカカズラ、トウカエデ、ナガミヒナゲシ、ナズナ、ナニワズ、ニリンソウ、ニワトコ、ヌスビトハギ、ノシラン、ノビル、ノボロギク、ハギ、ハクモクレン、ハコベ、ハルジオン、ハキダメギク、ハルノノゲシ、ヒイラギナンテン、ヒガンザクラ、ヒガンバナ、ヒナタイノコヅチ、ヒメオドリコソウ、ヒメリュウキンカ、フキ、フクジュソウ、ヘクソカズラ、ホシアサガオ、ホソアオゲイトウ、ホトケノザ、ボケ、ボタンクサギ、マツバウンラン、マムシグサ、ミズヒキソウ、ミツマタ、ムサシアブミ、ムベ、メヒシバ、モクレン、ヤナギ、ヤブガラシ、ヤブカンゾウ、ヤブミョウガ、ユウゲショウ、ヨウシュヤマゴボウ、ヨシ、ヨモギ、レンギョウ、レンゲ (133種類)