No.44 2008年2月

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鳩ヶ谷で見られる野鳥シリーズ (57)

ヒドリガモ(カモ科) Anus penelope

ヒドリガモ クリックすると拡大写真が表示されます
ヒドリガモの雄4羽と雌1羽(新芝川の汐入橋付近で撮影)

漢字で書くと緋鳥鴨。雄の頭部は赤栗色で、額から頭頂部にかけて黄白色が目立つ中型のカモで、頸と嘴が短い。雄は「ピュウーイ」と言う笛のような声で鳴きます。内湾、湖沼、河川などに生息し、他のカモ類に比べ海上で生活するものものも多い。よく似た種類のアメリカヒドリと交雑した個体も時々観察されます。主に植物食で、穀類・草の実・水生植物などを食べます。市内では主に新芝川の汐入橋付近で毎年11月〜4月頃まで見ることが出来ます。30羽ほどの群れでスイバ・ギシギシ・ハコベなどを食べています。              

自然の記録:

 2月 3日 南海上の低気圧の影響で関東地方に降った雪により、鳩ヶ谷市内も久し振りに白一色の雪化粧をしました。我が家の庭もマンリョウの赤い実とラッパズイセンの黄色い花のみが目立っていました。

 2月 5日 久し振りにジョウビタキの雄が庭に飛来しましたが、ピラカンサが無くなりマンリョウの赤い実のみが残っているので、それを目当てに来たようです。

桜町のHa氏より久し振りに見沼用水のおなじみの場所でカワセミを見たとの情報がありました。

 2月 7日 今日はジョウビタキの雌が飛来しました。

 2月 8日 3日に降った雪は完全に解けずに庭隅に白い塊を残しています。野良猫は足が冷たいのか、片足をふるわせながら歩いていました。雪のないところの方が多いのになと、思って眺めていました。

 2月10日 昨夜降った雪はうっすらと庭に積もりましたが、昼過ぎに溶けてしまいました。柿の木にシジュウカラとヒヨドリが来ましたが餌がないので、すぐに飛び去りました。

 2月11日 市内各地の日溜まりには、オオイヌノフグリ、タネツケバナ、ホトケノザなどが開花し、桜町6丁目のブロック塀角に生えてきたムラサキツユクサが沢山の蕾を付けていました。

自宅庭上空を久し振りにキセキレイが鳴きながら通過しました。

Ha氏から、昨年蛹になったアケビコノハについて、以下の情報を戴きました。「F氏から成虫で越冬することもあるとは聞いていたのだが。要らぬお節介をしなければ、生存できる可能性はあった。状態からして相当前に羽化しているはずで、もしやネットに入れたすぐあとだったかもしれない。せめてネットの底を切っておけば。中途半端な思いで、余計なことをしたばかりに、その可能性を絶ってしまった。悔やまれることしきり。また別の命が我が家の垣根に訪れんことを、祈るばかりである。」残念なことをしました。

今年は暖かかったので、かなり早い時期に羽化したのかも知れません。この詳細は、Ha氏のブログに掲載されています。写真は、ブログから借用しました。また、「夕方になりHa氏より星五位(ゴイサギの若鳥)がサンテピア付近の極楽橋の江川上流にいました。人慣れた様子で、ほとんど警戒しません。たぶんKPと同じ個体でしょうね。以前はもっと用心深かったのですが。」との情報を戴きました。

マンリョウとラッパズイセン(2月10日の降雪の庭)
羽化したアケビコノハ ゴイサギの若鳥 バリケン (3枚ともHa氏提供)

 2月13日 今日は風が強く、小鳥類も飛ばされていた。庭にはシジュウカラ、メジロの混群が飛来し、ジョウビタキ(♀)、ツグミ、ヒヨドリなどが来て採餌していた。ツグミは乾燥した柿の実のヘタを頻りに突いていました。

 2月14日 家の裏庭に5cmほどの霜柱が立ちました。ここ数年はせいぜい2〜3cm程度のものが多かったのですが、やはり北側は日陰になるので寒いようです。10数匹うろついている野良猫も、流石に寒いと見えて南側の庭の各所で日向ぼっこをしています。おかげで野鳥の姿が見えません。

 2月15日 Ha氏より、「2時半過ぎに芝川の柳根橋の上手で、バリケンを1羽見ました。全体が黒で、肩羽のあたりに白斑があり、顔が赤でした。他にゴイサギ、マガモ、コガモなど。ゴイサギはあの辺りのアシのなかに数羽いつも見かけます。」という情報を戴きました。

 (バリケンは本来、中央アメリカのコスタリカや南米に分布するノバリケンというカモの仲間ですが、日本では飼い鳥が野生化したものが時々観察されます。)

 2月20日 7時頃裏庭にアオジが飛来したが、すぐに隣家の庭へ移動。暖かくなってきたのでお腹の黄色も一段と濃くなってきました。ビンカン入れのゴミ容器内でアオオサムシが骸となっていました。寒いとは言っても昆虫類も活動を始めています。

江川から見沼用水沿いを散策したところ、珍しくダイサギが採餌していました。また、合流点付近ではオナガガモのペア、カルガモのペア、ハクセキレイ、ツグミ、ムクドリ等が川の中で採餌していました。

 2月23日 午前中は17℃を越える暖かい日になりましたが、13時30分過ぎから急に暗くなり始め、突風が吹き荒れました。夕方のニュースでは例年に比べ9日遅れの春一番とのことでした。

 2月25日 庭の福寿草が一輪、落ち葉の下から芽を出して開花しました。今まで全く気がつかなかったのですが、暖かくなり急に伸びてきたのでしょうか?昨年は、発芽もしなかったのですが、不思議なものですね。

 2月27日 今日もかなり強い風が吹いていましたが、庭のツグミはコンポストの周りで土の中から、ミミズ、ヒヨドリは枯れ残ったヘクソカズラの実、シジュカラ2羽はエノキやモクレンの裸の枝を頻りに突いていました。それぞれの好みにあった餌を探すのも大変な時期である。(23日午前中に西新井宿の林でウグイスの初鳴きが聞かれたとの情報がありましたが、鳩ヶ谷市内ではまだのようです)。

本町4丁目のM氏より、里交差点付近でホシハジロ雄の遺骸を拾得したとの連絡を頂き、確認したところ事故死で、左翼が肩の付け根で骨折していました。市内ではホシハジロを見る機会は少ないのですが、この様な形で見るのはとても残念なことです。

 2月28日 桜町6丁目の日溜まりで、ノボロギクが開花していました。本町4丁目のM氏より、毛長川でダイサギとコサギを観察したとの情報をいただきました。

庭で開花したフクジュソウ 轢死したホシハジロの雄

 2月29日 桜町のHa氏より、芝川の柳根橋(川口市)の上流で写したシナガチョウの写真が送られてきました。この付近ではバリケンやカルガモ、カワウなどがよく観察されています。

旧芝川ではどこかの工場で廃棄したらしく、川底に白色の汚泥が広い範囲で見られました。その影響か、いつもいるはずのカモ類やカワセミがほとんど見られませんでした。

新芝川の水門に近い場所では、各種のカモ類やバン、ユリカモメ、セグロカモメ、などが観察されました。今日は暖かく、カモ類が水浴びを楽しんでいるかのようでした。また、植物ではオオイヌノフグリ、タネツケバナ、ナズナ、ホトケノザ、ハコベ等が開花し、成蝶で冬越しをしたキタテハとともにモンシロチョウとモンキチョウが飛んでおり、川の汚れと悪臭がなければ春の小川の風景でした。

シナガチョウ(Ha氏撮影) モンキチョウ 頭かきするコガモの雄
羽ばたきするカルガモ 羽ばたきするマガモの雌