No.181 2019年7月

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鳩ヶ谷周辺で見られる野鳥シリーズ (194)

ツメナガセキレイ(セキレイ科) Motacilla flava

山口県見島(撮影地)

ツメナガセキレイはキセキレイに似ているが、足の後ろ指の爪が長いことで識別できる。ツメナガセキレイの名は、爪が長いことから名付けられたようです。ツメナガセキレイは亜種が多く、夏羽では亜種間の識別が容易であるが、冬羽では亜種同士似たような姿になるために注意が必要である。移動の時期には南西諸島の草地や水田などでは100羽以上の群れが観察されることもある。主に、西日本の農耕地や河川敷などに旅鳥あるいは冬鳥として渡来するが個体数は少ない。数10年前に香港の農耕地帯で観察した時には1000羽を超える群れを見た時にはいろいろなタイプの個体がいて感動したことがある。

国内では同時に色々な亜種や夏羽、冬羽の個体などをたくさん見る機会は少ない。国内では渡りの時期の離島などで群れを見る以外は1羽か2羽程度である。川口市内では見沼田んぼの一角にある芝第一調節池の工事中の2001年4月13日〜22日まで、一度だけ飛来した記録がある。

自然の記録:

 7月 1日 午前中雨が小やみになったところ、ナミアゲハ、アオスジアゲハ、モンシロチョウ、ヤマトシジミ等の蝶と蛾の仲間のオオスカシバが飛来しました。夜、トイレの便器の蓋にカラスヨトウトいう暗褐色の蛾の仲間が止まっていました。

 7月 3日 庭のサクラの枯れ木に、今年もナガゴマフカミキリ1頭が飛来しました。これから少しずつ個体数が増えるかもしれません。

 7月 5日 庭の水たまりにコクワガタの雄が落ちていました。庭で見るのはいつも雌でしたので、雄を見るのは初めてでした。

 7月 8日 コンフォール東鳩ヶ谷の敷地内に植栽されているリョウブの花が数か所で開花しており、アオスジアゲハ、ヒメアカタテハ、ハラナガツチバチ、アカスジツチバチ、クマバチ、などのハナバチの仲間が飛来していました。

ソトウスグロアツバ オナガ ナガゴマフカミキリ

 7月 9日 3株ある月下美人の2株で7つの花芽がついていましたが、午後8時過ぎに2つの花が開きました。久しぶりに家の中に香りが漂っています。月下美人と共にボタンクサギのピンクの花も玄関の明かりに浮かび上がっていました。今年はボタンクサギが庭に蔓延り100株を超えました。雨が多かったために草抜きが出来なかったために丈が高くなり、一番高いものでは2m近くまで伸びているものもあります。

 7月10日 昨晩から朝にかけて月下美人の花が2つ咲いていました。夜になって残りの3つも開花し始めました。雨の降る中で夜目にも白い花が目立ちます。

 7月15日 豊田の森から八百金裏の斜面にソクズの花が咲いていました。旧鳩ヶ谷市内では珍しくなった植物の1つです。ナミアゲハ、アオスジアゲハ等の蝶やハナバチの仲間が群れていました。

 7月16日 今日も一日中降雨となった。ニュースでは、6月27日から7月15日までの19日間連続で日照時間が3時間未満となり、7月は計5・6時間にとどまるという。平年は真夏日が続いているが今年は1日もない。お蔭で野外観察に出かける時間も殆どない状態である。雨の中、庭のミズヒキとキンミズヒキが開花しました。

 7月18日 庭先にセグロアシナガバチ、アメリカミズアブ、クロバネツリアブ、トウキョウヒメハンミョウ、等が飛来しました。

 7月22日 今月は雨が降ったりやんだりで20日以上に亘って野外観察が難しい日が続いています。夜になりクロゴキブリ3匹が家の中を走りまわり、風呂場にはソトウスグロアツバという小型の黒色の蛾の仲間が入ってきました。

 7月24日 早朝にミンミンゼミが鳴きだした。天候不順続きで今年はセミの声が聞こえないと思っていたところ裏庭で鳴きだしたので驚きました。車椅子のタイヤにはナガゴマフカミキリが止まっていました。晴れてきたので川口自然の家に出かけたところ、庭にカブトムシ、ノコギリクワガタ(3)、コクワガタ(3)等の羽や角などが沢山落ちていました。カラスやオナガなどにやられたようです。家の周りではゴマダラチョウ、アカボシゴマダラ、コミスジ、ナミアゲハ、クロアゲハ、ナガサキアゲハ、ベニシジミ、ヤマトシジミ、ヒメウラナミジャノメ、コチャバネセセリ、マメコガネ、ハンノキハムシ、キボシカミキリ、シオカラトンボ、ウスバキトンボ、チョウトンボ、ハグロトンボ、ニイニイゼミ、ミンミンゼミ等の昆虫類がいました。ミンミンゼミ・ニイニイゼミは共に今年の初認でした

コチャバネセセリ ゴマダラチョウ ニイニイゼミ

 7月26日 久しぶりに快晴となり30℃を超える暑さとなりました。裏のブロック塀にモンキクロノメイガという小形の蛾の仲間が止まっていました。ボタンクサギの花にはアカボシゴマダラ、クマバチ、クロアゲハ、ナミアゲハなどが飛来し、クサギカメムシの幼虫が孵化して沢山集まっていました。また、ミニトマトの茎にはホウズキカメムシの幼虫が数百匹寄生していました。地上ではツチカメムシとクロビロウドコガネが歩いていました。

2時間ほど安行方面を散策、興禪院の林ではオレンジ色のキツネノカミソリが開花し始めていました。ウラギンシジミ、ナガサキアゲハ、クロアゲハ等が飛び交い、ニイニイゼミがよく鳴いていました。周辺の木の根元にはニイニイゼミの抜け殻がかなりあり、地面にも大小のセミの抜け出た後がかなりありました。

自宅庭で夕方6時頃にアブラゼミの鳴き声が聞こえてきました。                           

 7月27日 台風が熱帯低気圧に変わり、晴れて暑くなりました。毎年行われている青少年ボランティアスクールで中学生・高校生20名+大人7名で豊田の森の竹林整備(竹の間伐・斜面の除草)および湧水公園の自然観察などを行いました。湧水公園ではシオカラトンボ、オオシオカラトンボ、ショウジョウトンボ、オニヤンマ、ナガサキアゲハ、ナミアゲハ、ツマグロヒョウモン等の昆虫、タコノアシ、コウホネ、セキショウ、サンカクイ、ガマ、コガマなどの植物が繁茂していました。

湧水公園での観察 斜面の除草作業 竹の間伐作
竹林に集まったボランティア タコノアシの群落

 7月28日 外出して帰宅したところ、ヨツスジトラカミキリが肩に止まり、そのまま家の中に入ってきました。昨年も裏庭で1頭見つけましたが、隣家でクリノキなどの伐採木を庭に放置しているので、そこから発生しているようです。今年はクワカミキリ、タケトラカミキリ、ナガゴマフカミキリに続いて4種目の記録となりました。毎年、花と緑に振興センター駐車場に積まれている伐採木から多くのヨツスジトラカミキリが発生するのを楽しみにしていましたが、今年は伐採木が撤去されてがっかりしていたところです。

 7月29日 赤井の氷川神社の林、前野宿川調節池の斜面林を歩いてきました。斜面林ではヨツスジトラカミキリ2頭を見ることが出来ました。林床の落ち葉の間から、スジオチバタケ、キタマゴタケ、マンネンタケなどが生えていました。

スジオチバタケ ヨツスジトラカミキリ キタマゴタケ

地球温暖化を考える(133)

さいたま市青少年宇宙科学センター周辺緑地

JR浦和駅から歩いて25分ほどの所に、さいたま市青少年宇宙科学センターがあります。南側は駒場運動公園、北側は駒場緑地の間に挟まれ、さらに西側には東浦和浄水場および蓮昌寺の緑地に覆われて真夏日でも比較的涼しい感じがする場所です。比較的大きな樹木が繁茂していますが、周囲からは孤立した緑地となっています。可能であれば北浦和駅や浦和駅からの歩道もこのような緑道になっていると真夏でも歩きやすいと思います。50年ほど前には自転車で荒川河川敷の田島が原や川越の伊佐沼などに行きましたが、途中の駒場や浦和競馬場付近は植木畑・雑木林・屋敷林等があり、爽快な気分でした。現在はどこでも道路網が整備され、道幅が拡幅されているが並木などの樹木が殆どなく、交通量も多いので自転車で走る気分にはなれません。新聞やテレビニュースなどでは、2020年東京五輪の開催期間は、酷暑の中で競技が行われるため暑さ対策が考えられているようですが、アスファルトで固められた道路網が巡らされている中で、どのような暑さ対策ができるのか?都心部に熱がこもる「ヒートアイランド現象」に対して、いかに効率的な対策が行われるのか気になるところです。気象庁によると、地球温暖化などの影響で最高気温が35℃以上の猛暑日は1990年代後半頃から増加している。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の報告書では、何もせずに温暖化が進んだ場合、今世紀末の世界の平均気温は2000年頃に比べて最大4.8℃上昇すると予測している。

駒場運動公園の交差点から市少年宇宙科学センターへの道
右側が駒場運動公園の緑地 青少年宇宙科学センター